壮瞥町からりんご木炭を使ったこだわりの炭焼珈琲誕生
人は生きている間にどれだけのどんな人達と出会うだろうか。そして出会った人達はどんな生き方をしていることだろうか。私たちが出会った元地域おこし協力隊だった彼女。その後の彼女は意外な生き方をしていて、壮瞥町から意外なものを誕生させ密かに活動の幅を広げている。
洞爺湖畔を走るとふと目につく一軒の古民家 。これが今日の主役”TOYACAFE” 珈琲焙煎所。
このcafeを経営しているのが、壮瞥町の元地域おこし協力隊の長友加也さん。神奈川県横浜市から家族で移住して来た彼女は壮瞥町へ移住後火山マイスターとしても活躍し在籍中は壮瞥町の為に大変尽力してくれた人。さばさばした飾りっ気のない性格の彼女が、地域おこし協力隊の任期満了後に選んだ道。それは大変意外なものでした。
彼女が始めた意外なこととは・・・
そのことを知るために私たちは早速彼女のもとへ取材へ行ってきましたのでお伝えいたします。
|TOYACAFE珈琲焙煎所
彼女が地域おこし協力隊の次ぎに選んだ人生は、拘りの焙煎珈琲の販売でした。これまで知っている彼女とは結びつかない意外な出来事だったので、彼女に質問を投げかけてみました。
なぜコーヒーの焙煎を・・・私からの質問に彼女はたった一言。
好きだから。
単純明快な答えですが、人は何かを始める大前提としてはやはり”好きだから”この一言につきると私も納得。曇りのないその表情には何の迷いも感じません。
好きだから拘り、好きだから追求し、好きだから・・・結局この気持ちが人を動かすものだと実感しました。
そして本格的に焙煎所をオープンしたきっかけは奇しくも『新型コロナウイルス感染症』による自粛期間だったとか。
彼女には夢が。壮瞥町へ移住する前もサロン経営者だったこともあり、このサロンをベースに趣味の珈琲を活かしたcafeをやりたかったけれど、突然未知のウイルスによって夢が閉ざされてしまいました。
けれど誰しもがこの初めての経験で今後の未来に向けて悩んでいた中、彼女は”この流れに身を任せよう”そして”時代の風潮に身を任せて何ができるのか。その答えが自粛期間を利用して珈琲という趣味を活かし焙煎所をやろうと一念発起。しかもオンラインなら日本中どこでも繋がれるし、自分の焙煎した珈琲が洞爺湖の憩いとして都会の方々に届けられたらという思いになったそうです。
現在はオンラインショップBASEや壮瞥町の道の駅そうべつ情報館iの中にある農産直売所サムズ、そして近隣でデリバリーを行っている里山デリバリーで販売中。もちろんTOYACAFE珈琲焙煎所での購入もOK。
また、彼女のコーヒーは他にもノンカフェインもあり、カフェインが苦手の方用もあるそうです。また、全てオーガニックなので安心安全で飲めるという点も有り難いですね。
彼女は全国展開することで全国の方と繋がり、全国に自身の珈琲と壮瞥町をアピールしていきたいと考えています。
(※ドリップ用フィルターは商品ではありません。)
|一杯へのこだわり
彼女にはこの一杯の珈琲に対しては並々ならぬこだわりがあります。
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特に『フェアトレード』そして注文を受けてから焙煎。この2つは彼女が作る珈琲には欠かせない大切な条件です。
フェアトレードという言葉。こちらは後ほどご説明するとして、今回この取材に当たってTOYACAFE珈琲焙煎所にお邪魔させていただいた際、TOTACAFEオリジナル焙煎のコーヒーをご馳走してくれました。
正直言うと私自身は珈琲が苦手で、この頃やっと甘いラテが飲めるようになった程度。珈琲の世界にはほぼ無縁だったし、珈琲が好きな方の拘りの珈琲とはどこに拘り、何が違うのか全く知る由しもありませんでした。
けれど目の前でとても丁寧な手つきで一杯の珈琲を入れる彼女を見ていて、一杯の珈琲を入れる為に豆から焙煎そしておとすまでの行程にどどれだけの手間と時間を費やして入れているのかを知り正直驚きました。
聞くと焙煎方法も深煎り・浅煎りなど都度買われる方の好みに合わせて生豆の焙煎方法を変えているそうなので、注文を受けてから焙煎するというのも納得です。また、珈琲は冷凍保存するのが一番ベストで、そのままの状態で長期保存された珈琲は酸味やえぐみが出てしまうそうで、彼女はそこにもこだわっているため、決して事前の作り置きはしないそうです。
ちなみにこの日は私が珈琲を飲めないということで、とても飲みやすい浅煎りでホイップもこもこハニーラテにしてくれました。そしてこの日同行した鈴木はブラックで。
また、この日ご馳走していただいたコーヒーは、メキシコ産の『GEISHA(英)』という種類で、コーヒー通の方はご存じかもしれませんが、高級コーヒー(スペシャリストコーヒー)で、歴史は浅いそうですが世界でも最も高価なコーヒーのひとつだそうで、パナマ原産のものだとなんと100㌘5,000円(!!)で取引されている豆らしいと聞いて驚きの一言です。
今度いつ飲めるかわからないこのコーヒーのお味はというと、コーヒーが飲めない私でもちょっとコーヒーというものの認識が変わるお味でした。コーヒーというよりフレーバーティーのような香りで、味も浅煎りだからといって薄いわけではないけれど、さっぱりとして後味に心地よい香りが残るコーヒーで、多分コーヒーが苦手な方でも絶対飲めること間違いなしです。
まずはこのブログを読んで興味が沸いた方は、試しに1回購入してみてください。コーヒーが飲めない私がオススメするのですからお好きな方は絶対ハズレなし間違いないです(太鼓判!)
|りんご木炭
この焙煎珈琲の販売にあたり、彼女のもう一つの拘りが。それは、焙煎に使われる炭を壮瞥町のりんごの木を使った木炭ということ。
焙煎を始めるにあたり様々な木炭を試したらしいのですが、縁あって地元壮瞥高校の「りんご木炭」に出会い使ってみたところ、一般で売られている木炭と比べると火の付きがとても早く、そして燃やすとリンゴの良い香りが漂うそうです。私たちも実際に触ってみたのですが、普通の木炭と比べると気のせいかめちゃくちゃ軽く、確かにこれなら燃えやすいかもという感想と、一見ごく普通の木炭のようですが、実はこれがりんごの木だと思うとここまで地元の生産者に拘る彼女は凄いと思いました。
ちなみにこのりんごの木炭ですが、壮瞥高校の果樹専攻班の生徒さん達が”不要な物を有効に”をテーマにの果樹園さんがりんごの木の剪定の際に出た不要な剪定枝や老木・倒木を木炭に作り替える活動の中で誕生した木炭で、イベントなどで販売されています。大変人気ですぐに売り切れてしまうそうですよ。
壮瞥高校果樹専攻班の皆さんはTwitterも運営しています↓↓↓
◆壮瞥高等学校果樹専攻班公式Twitter⇒@soukou__apple
|美味しいコーヒーの入れ方とは
さて、彼女の様々な拘りをご紹介していますが、良い豆・良い木炭など美味しいコーヒーを入れるための条件は揃えど肝心の入れ方のコツについても聞いてみました。
条件は4つ。
①挽き立ての豆を使う
②鮮度の良い豆(焙煎)であること
③温度(熱湯はNG!渋みやえぐみが出てしまう。沸騰してから約90度まで冷ましたお湯がベスト)
④お湯を注いだら良く蒸らす
この4つの条件が美味しいコーヒーを入れるコツで実際にこの条件のもとでコーヒーを入れてもらいました。特に④の蒸らす、これはとても大事な行程だそうです
では”蒸らす”とはどういうことか。
コーヒーの蒸らしとはひとことで言うと、ハンドドリップでコーヒーを淹れる際に初めに少量のお湯を注いで一旦待つことを指し、コーヒーの粉に均等にお湯を行き渡らせて、コーヒーの味を引き出しやすくするのです。そしてこの蒸らしの作業を行うことで、コーヒーの粉がプクーっと膨らんできます。
実は新鮮な豆かどうかはこの膨らみがあるかないかで判断することができるそうで、新鮮ではない場合お湯を注ぐとベターっとなってしまうそうです。
ちなみに彼女が使っている豆をドリップするとこんな感じです↓↓↓
|フェアトレードで新鮮な生豆を
先ほど『フェアトレード』という言葉が出てきましたが、皆さんはこの言葉を聞いたことはありますか?私は彼女の取材をするにあたり事前に調べて初めて知りました。この聞き慣れない”フェアトレード”。
彼女が焙煎珈琲を作る最大の拘りはこの”フェアトレード”かもしれない。
これは商品説明にもあるのですが、「発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することにより、生産者の持続的な生活向上を支える仕組み」とうことだそうです。ちょっと難しい表現ですが、彼女はこのフェアトレードを利用して生豆を仕入れているそうで、市場で売られている仕入生豆の3倍~5倍の価格の生豆を使用しているそうです。
そのせいか、彼女の珈琲を実際に飲んだことのある方々からは「品質がよく珈琲の香りがすごく良い」と評判がとても良いそうです。
最近ではダイレクトトレードというものもあるらしく、お互いの信頼のもと長い取引を約束する代わりに安く仕入れすることができるとうもので、彼女は「たった1杯のコーヒーかもしれないけれど、長い目でみてそれが少しでも生産者の手助けになれば」という思いでこのフェアトレードやダイアレクトトレードを利用しているそうです。
たった一杯のコーヒーかもしれないけれど・・・その言葉の中には生産者から品質の良い豆の選び方までトータルで出来上がっているのが彼女が入れる一杯のコーヒーなわけです。
そして彼女は「木炭を作った人達、コーヒー豆を生産している人達そんないろんな人達の思いを感じながら飲んで欲しい」とメッセージをくれました。
|将来へ向けて
今回の取材の中で最後に将来についてお聞きしました。
彼女はこのように答えてくれました。
「正直将来的な大きな目標は今のところないですが、今のこのご時世…世の中の変容に合わせて自分も柔軟に対応したいですね。このコロナ期、生き残るのが難しいと言われる中、世の中に逆行する様に事業を始めましたから…長く続けられるように頑張りたいですね。ただ力を入れたいのは『オンラインショップ』で、日本のどこにいても買える仕組みなので、今回発売した『壮瞥産りんご木炭珈琲』のようなこの地域ならではのものを発掘して壮瞥を知ってもらいたい、広めたいっていう密かな願望はあります。小さな珈琲焙煎所ですが細々と続けて行きたいです」。
コロナ禍において試行錯誤しながらも新たな生き方を見つけ、あえて目標を定めず時代の情勢を眺めながら少しずつ好きな道で歩んで行こうとする彼女の意志が感じらるメッセージでした。
そして冷めても美味しいそしてもう一杯飲みたくなるコーヒーを作りたいと・・・
|取材を終えて
今回は、壮瞥町も地域おこし協力隊だった長友加也さんのその後の活躍と壮瞥町から誕生したオーガニックの焙煎珈琲について取材したわけですが、コーヒーの好きな方々にとって一杯のコーヒーを飲むということは、子どもがジュースを飲む感覚で特に理由もなく”飲みたいから飲む”とか”好きだから飲む”というとても気軽な存在だと思います。
でも取材も兼ねて彼女のコーヒーをいただきながら感じたのは、コーヒーとは1日の生活の中で或いは休日にあえて「今日はコーヒーを飲もう」という時間をもうけてじっくりと味わう贅沢な飲み物ではないだろうかと感じました。
コロナ禍にある今こそお家時間でちょっとだけ贅沢なコーヒーを味わう時間も良いのではないでしょうか・・・
|TOYACAFE珈琲焙煎所
◆TOYACAFE公式HP
https://toya-cafe.localinfo.jp/
◆TOYACAFE公式Facebook
https://www.facebook.com/TOYACAFE/?ref=py_c
◆里山デリバリー公式Facebook
https://www.facebook.com/satoyama.deli/
◆TOYACAFEオンラインショップ
https://toyacafe.theshop.jp/items/34404106
【冬休みのお知らせ】
TOYACAFE珈琲焙煎所さんでは冬期間は下記の日程にて冬休みとなっています。
◆期間:2020年12月28日から2021年1月3日まで
※オーダーは12月26日で12月28日発送となります。また、12月26日以降のご注文は年明けの発送となりますので、ご希望の方はお早めにどうぞ。